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指導監査

コラム:歯科の個別指導(行政指導)への対応について

更新日:2022年12月9日


保険医療機関(クリニックや薬局など)への指導監査のアドバイス経験などに基づき、歯科医院や薬局、施術所(鍼灸マッサージを含みます)などへの厚生局による個別指導(行政指導)や監査についての雑感などを書きます。



歯科医の個別指導への対応法

身も蓋もありませんが、個別指導の通知が管轄の厚生局から個別指導実施の1か月前に届いてしまった場合は、一人で悩むのではなく、詳しい方に相談をして対応をはかるべきです。


では誰に相談するかですが、j実際に厚生局の個別指導となった歯科医師は、歯科医師会や保険医協会にまずは相談する方が多い印象です。詳しい方に相談をして、アドバイスを受けつつ準備を進めるべきでしょう。


歯科医師会などに、個別指導での立ち会いをお願いすることもできます。個別指導の立ち会いは、歯科医師が依頼する弁護士も可能であり、指導での指導医療官の厳しい言動が抑制される効果が期待できますので、積極的に検討してよいと思います。


なお、個別指導となると不安になり、コンサルタントと称する方に多額の金銭を支払って、効果の定かではない対策を行ってしまう方もいらっしゃいます。良識をもって、信用できる方に相談し、アドバイスを受けることがポイントです。


個別指導の対応のコツは、抽象的に申し上げますと、指導、監査、聴聞の一連の保険医療機関の指定の取り消しのプロセスを理解し、個別指導の位置づけを把握し、その上で厚生局の個別指導の狙いを推測しつつ適切に対応する、ということになります。


個別指導の流れなどについては、以下のページに記載があります。


個別指導の当日

当日は、前日のカルテなどの整備の疲れや極度のプレッシャーから、時間に遅れしまう方がいらっしゃいます。また、会場までの交通手段が自動車の場合は、慣れない場所であるため、道に迷ったり、渋滞に巻き込まれるなどするリスクもあります。早めに会場に到着するよう留意すべきです。


個別指導の会場の場所や厚生局側の担当者の人数・人員で、厚生局の係る個別指導へのスタンスが推測できることがあると感じています。もっとも、個別指導に臨まれるスタンスとしては、正々堂々、尋ねられたことに端的に答える、ということになりますので、神経質に考える必要はないでしょう。


個別指導では、どなたに対してもよく聞かれる点を聞かれることになりますので、事前に応答を訓練しておくとよいでしょう。なお、高点数ではなく患者の情報提供による個別指導である場合は、情報提供に基づく質問が通常は指導の後半にありますので、適切に回答することが求められます。情報提供に基づく質問に対しては、きちんと説明をすることが肝心であり、厚生局側が納得できる回答を行うことがポイントです。納得させられなかった場合は、個別指導が中断され患者調査の実施に繋がることがあります。指導の前半で疲れてしまい、肝心の情報提供部分の質問に対し、適切に回答できず、指導が中断となってしまった、ということがないようにして下さい。


患者調査の実施まで行ってしまうと、患者さんに不信感を与え、歯科医院の営業に大きな影響があり、なにより歯科医師が精神的にまいってしまいます。患者調査に至らないよう、適切に個別指導の準備を進めましょう。



歯科医への監査

なお、患者調査の結果、不正請求の疑いが濃厚となった場合は、監査に進むことになり、監査までいってしまうと、スタッフが辞めてしまうことが多く、非常勤の勤務医の確保も困難となり、歯科医院の事業継続が難しくなってきます。


私の感覚としては、監査に移行してもおかしくない状況においても、厚生局の判断により、再指導で様子を見てくれるケースもあるように感じています。ただ、監査に移行してしまう例も少なくありませんので、歯科医師の先生は、決して楽観することなく、個別指導に適切に対応し、不適切な診療報酬の請求に気付いた場合は、できれば個別指導の実施通知を受けた直後の段階で、全患者分について、少なくとも1年分、すべて自主返還をすることを検討してよいでしょう。歯科保険診療の仕組みは複雑で、完璧に理解している歯科医師の方は多くはないと思います。指導医療官ですら、細かい点については、即答できないことも多いのではないかと感じます。間違ってしまっていた場合は、素直に反省し改めると、厚生局も理解をしてくれることも多いでしょう。


ただ、いわゆる不正請求の場合は、例えば実際には行っていない診療を行ったとして請求をしているものですが、誤解やヒューマンエラーで生じたものとは考えられないケースでは、厚生局も厳格な対応をとってくるように感じます。


不正請求は、いわゆる詐欺にあたるケースがあり、これは、犯罪ですので、厚生局も、当然ながら、安易な対応はできないためと思われます。


厚生局は、歯科の不正請求の手法について熟知しており、不正請求をしているか判断するためのチェックポイントもよく把握しています。不適切な請求の心当たりがある歯科医院の場合、個別指導のカルテの指定などで、見事に問題がある患者・カルテが指定されることもよくあります。


歯科医師の先生においては、金属などではない証拠が残らない診療行為であれば、不正をしてもばれないだろう、と安易に考えている方もいるかもしれません。しかし、証拠が残らない診療行為についても、患者調査を実施すれば、患者さんがそのような診療行為を受けた記憶はないと証言し、その証言が証拠となります。そして、そのような証言が多数出てくれば、厚生局は不正請求をした疑いが濃厚であると事実認定し監査を実施してきます。


歯科の個別指導の厚生局の具体的な指摘事項については、地域の厚生局のウェブページで公表されていますので、個別指導で指摘されやすい点として、参考にすると良いでしょう。


また、厚生労働省の保険診療の指導監査については、厚生労働省の保険診療の指導監査のウェブページに種々資料等公開されていますので、こちらについても、必要に応じ確認いただき、参考にすることをお勧めします。

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